慈光和風

アップルの創業者の一人である　スティーブ・ジョブズは、曹洞宗の乙川弘文老師に師事して禅を学び、シンプルで創造的な製品を残した人です。

　ユーチューブで見られる有名なスタンフォード大学でのスピーチというのを見たのですが、そこで「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることはできません。出来るのは、あとからつなぐことが出来るだけです。」と語っていました。

　若かりし頃のジョブスは親に学費の負担をかけまいと、大学を中退したものの、なぜかカリグラフ（ペンで書くアラブや西洋の書道のようなもの）の授業に潜りこみ、はまって熱心に学んだそうです。

　その書体に対する知識が後にマッキントッシュというパソコンを設計するときのフォントの設計に大きく役に立ったのですが、そんなことを思って授業を受けていたわけではなかったでしょう。

　彼は、その時に興味があったものに行っただけで、パソコンを作るための準備として行った行動ではありません。その後、自分で行動して、パソコンを組み立てる事が出来る人と縁がつながったり、いろいろな要素があった結果、学んでいたものが役に立った、あとからつなぐことが出来たということです。

　準備は、したいことがきちんとあって、そのためにあれして、これしてと必要な条件を整えるために動いていく。それ自体は必要だし、役に立つことのように思います。

　ただ実際にやってみないとわからないこと、やってみてはじめてこれが必要だったんかーということがわかることの方がほとんどではないでしょうか。

　あまりにも無鉄砲に、やりたいからはじめてみました、だとえらいことになるかもしれませんが、それよりもまだ準備が出来ていないからといって行動を起こさないリスクは大きいです。

　準備が出来てないから、時期じゃないからという言い訳で、行動しなかった、動くのが遅かったということは、今まで生きてきた中でもいくつも思い当たります。めんどくさいから、怖いからと逃げている事の理由をつけたつもりになっていたこともあったでしょう。

春ですし、何かを始めやすい季節、

やってみないとわからないんだから　えいや！っと、動いてみませんか。

　小さいハードルからでも作って動いてみれば、そのうち点と点を結んで長い線がひけるかもしれません。

　さて、自分が変わるのに一番とっつきやすい最小限のハードルは何でしょうか。。