しなやかに生きる

歯磨き習慣はお釈迦様から

 

   お釈迦様が悟りを開かれて後、お弟子さんが増えてきて、

 こういうことを守った方が自分の修行になるよという決まりや

 集団生活のルールを作るようになりました。

  それが、嘘をつかないなどの自分を制する戒と 集団が円滑に

 行動するための律、併せて「戒律」です。

 

  その戒律の中に、礼拝や説教の前に必ず手を洗い、

 歯木を嚙んで歯を清掃し 水で口を漱ぎなさい。というのがありました。

 

  そして、お釈迦様自身が薬木である菩提樹の小枝を

 嚙んで その樹液を吸い 歯木にして歯を磨いて弟子たちに手本を示 したという

 記述が残っています。

 

  歯木(しもく)は薬効がある木の枝を、噛むことと、噛んで繊維を

 ブラシ状にして歯を磨いたり、舌を掃除したりしていたもようです。

 

  そして、歯を掃除することの功徳を、口の苦さや臭さを取り除き、

 風、熱を取り除く

 ことや食をよくする、眼が清浄になると書かれています。

 

  口臭や、歯肉炎、歯周炎、病気などにかかりにくくなったり、

 ご飯が食べやすくなるということですね、

  眼に関しては、

 歯を磨いて口を漱いだ後 少量の水を含んで楊枝を嚙み

 この水を手に取って目を洗うことであると、

 道元禅師が解説されていました。歯木の木自体の薬効を活かして

 眼を洗うということみたいです。

  さらに、歯木の長さは

先輩の僧が若い僧の頭を長い歯木で叩いた それで 釈迦は 歯木の長さを指の巾(約 2cm)を基準として 12指以内と定めた また あると若い僧が短い歯木 を飲み込みそうになって喉につまらせた そこで そ の長さを 4指以上と決めた。

 と決められていたようです。

 しかし、なんで若い人を叩く人がいるんでしょうねえ。

 

 あと、インドに伝わるアーユルヴェーダ医学に、

人は朝早く起きて、歯を磨きなさい

とあったそうなので、お釈迦様はそれを学ばれていたと

思いますが、薬効のある木の枝を噛んでブラシにして

歯を磨く方法を広めて、その効果を具体的に説明されたのは、

お釈迦様が初めてと言われています。

 

  そしてその歯木で歯を掃除するという習慣は仏典などとともに、

 東、東南アジアへと伝わって、日本には楊枝として伝わり、

 日本独自の発展をしていきました。

 

 道元禅師の書かれた正法眼蔵には、楊枝を使用した後 これを裂いてそのひとつの

片を両手に持ち 弓なりにして軽く舌面をこすっ て舌苔を除くよう指導していて、

仏教伝来以降、日本では歯を掃除するときに舌を磨く習慣が大正時代ごろまでは

あり、明治から大正の頃には歯ブラシの柄のところにセルロイド製、舌クリーナー

がついていたものがあったそうです。

 

 その後、欧米で舌を力を入れて磨くと舌ガンになる恐れがある

という情報が入ってきたこともあってか、昭和になると舌を磨くという

習慣は少なくなりました。 

 

 確かに、舌を歯ブラシを用いたり、力をいれて磨くと傷つける恐れがあります

が、口臭予防などの点から専用の舌(タン)クリーナーを用いて掃除することも

提唱されつつあり、適切な方法で行えば、健康増進に効果があるのではないでしょうか。

  人類がかなり昔から、薬効と物理、両面で歯を磨くことが

 健康のために重要なことであると認識していたんだなあとわかり、

  今ある現在は多くの人の多くの積み重ねなんだなと

 改めて感謝するところです。

 

  ではみなさま お元気で   

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